さよなら事典

人のこと

□ 唯

ゆい

 

旗揚げ公演「さよならの書き方」の出演者、
唯さんについてご紹介します。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唯さん

 今回ご紹介するのは、四織役の唯さんです。とある公演を観に行った時に、たまたまそこにいらっしゃって話をして、後日声をかけました。四織の役を探していて、唯さんならやってくれると思ったからです。

 唯さんは、ずっと演劇ばかりやってきたわけではなかったようですが、今回の出演者の中で一番長い演劇経験者です。演劇に関わったことがない人、または経験の薄い人を、今回の公演の出演者として探していたのですが、一人くらいは経験者がいたほうがいいだろうと思い唯さんに声をかけました。

 今、一緒に作っているところですが、既に、唯さんに参加してもらって良かったと思っています。その理由として、三つあります。

 

 

劇作

 子供のころから劇場によく出入りをしていた唯さんは、演劇に馴染みがある生活をしていました。中学生の頃から小説は書いていて、高校生になると演劇部に入り、自分で戯曲を書くようになります。高校三年生の時には、県大会で銀賞をもらいます。また、2017年に、日本劇作家協会の短編戯曲ドラマリーディングの公募6作品に選ばれます。最近でもSNSでコンスタントに戯曲を発表するなど、劇作家として精力的に書かれています。

 今回、役者としてオファーを出したときに、戯曲を読んでもらいました。そこからたくさんの意見を交わして、戯曲の推敲を進めました。今ある戯曲は何度も書き直したものですが、唯さんから頂いた意見がたくさん生きています。この公演が終わっても戯曲を書く者として、意見交換をしながら、共に成長していけたらと思っています。

 

 

演出

 唯さんと稽古をしていると、見せ方や舞台の使いかたなど、演出の面でも参考になることが多いです。自分が考えていることとは違った意見を持っていて、それを聞いて、あ、そっちの方がいいなと思ったり。何となく自分が思っている曖昧なことを、きちんと筋道立てて説明してくれたりします。演劇の経験でできることなのかもしれませんが、音楽のバンドを組んだり、東京で何年か住んでいたときの経験などが、活かされているような気がします。様々な人間の感情の変化などを体験することで、リアルな心の動きを知ることができたのかなと思っています。その経験を演劇に上手に活用しているような気がします。

 

 

役者

 唯さんが舞台で演技をしているのを見たのは一度しかないのですが、そのときの印象としては、ナチュラルにきちんとこなせるなあでした。多分、こちら側が思っていることを、大きく外すような演技はしないだろうと思い、今回お誘いしました。東京で養成所に通っていた経験もあると思います。

 一度、演技をしてもらってから、僕が今回目指す演技の方向性を役者の皆さんに説明したことがあります。その後、演技をしてもらった時に、前回と演技が違うなと感じたことがあります。そのことを伝えると、僕が演技の方向性を伝えたことで、その方向性に沿った演技に変えてきたというのです。きちんとそれを理解して、そのように表現として出せるのは、すごい技術だなと思いました。

 

 

さよならキャンプ

 以上が、今回唯さんに参加してもらって良かったと思う点です。実際参加するか迷われたそうですが、一緒に芝居を作ることができて、良かったと思います。唯さんは、この世に自分の存在を残しておきたいと考えています。その方法は、演劇に限ったことではないそうです。さよならキャンプに参加して、こんな芝居にも出たことがあると、これからの唯さんの人生の一ページに載るような、そんな瞬間を経験してほしいなと思っています。そのためには、よりよい芝居を作ることが大切です。これからの稽古でも、今までと同様、助けてもらえたらと期待しています。(沼畑)

 

 

短編戯曲を公開している唯さんのTwitterはこちら ▼

https://twitter.com/matsugetadayuki