さよなら事典

演劇をつくること

□ 観劇マナーゆるめの回

かんげきまなーゆるめの回

 

 

旗揚げ公演「さよならの書き方」の4公演のうち、10月17日(日)14時開演の回は「観劇マナーゆるめの回」としています。この取り組みについてご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆるめの回を設けたい

 初めての公演を迎えるにあたり、日頃から芝居に親しみがある方だけではなく、芝居を観たことがない方や苦手に感じている方にも、気軽に芝居を楽しんでもらえる環境をつくりたいと思いました。 実はこの記事を書いている私(山田)自身、演劇を始めるまでは芝居を観ること、劇場に行くことにハードルの高さを感じていた人間です。行けば楽しめるだろうなと思ってはいたものの、「長時間座っていて疲れないかな」「途中で具合が悪くなったらどうしよう」「他の人の迷惑になるようなことをしたら…」と不安だらけ。少し心配性な性格もあって、なかなか芝居の世界に飛び込むことができませんでした。

 

 しかしいざ飛び込んでみると、思っていたよりも気軽に楽しめるものだと分かりました。劇場や劇団によってサービスは違うものの、皆さん「多くの方に楽しんでもらいたい」という思いで運営されています。そして芝居を観ることは、想像の何倍も楽しいことでした。もっと早く来れば良かった、と思いました。 もしかしたら、過去の私と同じように観劇に不安を感じている方がいるかもしれない。そんな方にも「行ってみようかな?」と思ってもらえるような機会をつくることができないだろうか。そんな思いから観劇マナーゆるめの回を設置することを提案したのでした。

 

 

どんな人に向けた支援をするのか

 そういった回を設置するにあたり、どんな人に向けた支援をするかを考えました。

 

 まずは過去の私のように、芝居になじみがなく、行ってみたいけれど不安があるという方。そして芝居に興味があるけれど、子どもが静かにしていられないかもしれない、と思っている方。また障害をお持ちで、途中で休憩したくなったり、観劇までのコミュニケーションに不安があるという方。

 

 しかし「観劇初心者の方」「お子様連れの方」「障害者の方」とひとくくりにすることには慎重にならなければいけないと思っています。その人の立場や障害の種類によって一律的にサポートするのではなく、一人一人に異なるサポートが必要だということ大切に。今、目の前にいるその人がどんな支援を必要としているか、確認して対応できるように準備をしたいと思っています。

 

 もちろん、限られた予算や人員、環境の中で対応できないことも沢山あるかと思います。お客様とコミュニケーションを取ったうえで、お互いのできる最善策を探ることを心掛けていきます。

 

どんなことができるかな

 ということで、まずは他の劇団の取り組みを勉強してみることにしました。県内外の劇団のホームページやブログを読んでみたり、障害のある方の観劇支援を行っている団体のことを調べてみたり。先進的な事例がたくさんあって本当に勉強になりました。どれもチャレンジしてみたい取り組みばかりなのですが、今はまだ予算や人員が不足しています。まずは小さなことでも自分たちにできることから始めていき、回を重ねるごとに新しい取り組みにもチャレンジしていくことになりました。

 

 以下のことは、旗揚げ公演「さよならの書き方」の観劇マナーゆるめの回で取り組む予定の内容です。(可能なものについては他の日程でも対応予定です)公演1か月前を目途にホームページやSNSで発信するほか、ご連絡先の分かる方にはメール等で情報をお送りさせていただく予定です。

 

◆上演中の出入りOK

普段の公演でも出入り禁止なわけではありませんが、OKと発信することで他のお客様にもご理解をいただき、気持ちよく観劇していただければと思っています。「マナーゆるめ」と掲げているのも同様の思いから。普段から厳しいマナーがあるわけではないのですが、「ゆるめ」と発信していることで、気軽にお越しいただき、会場全体でお互いを許し合う空気をつくれたらと思っています。

 

◆未就学児入場OK

17日(日)のみ、未就学児のお子様にも無料でご入場いただくことができます。  チケットのご予約の際に膝上鑑賞or席が必要か確認させていただいています。

 

◆待ち時間グッズの貸し出し

開演前の待ち時間や、公演中に遊びたくなったお子様のためのグッズを用意します。  塗り絵、折り紙など簡単なものですが、少しでも楽しく過ごしていただければ嬉しいです。

 

◆会場近くの駐車場をご用意します

車いすでお越しの方や歩行に不安のある方のために、会場に近い場所に駐車場を確保します。数に限りがあるため、ご予約の際にお知らせください。

 

◆ロビーに出やすい席をご用意します

妊娠中の方や体調に不安のある方にロビーに出やすい席をご用意します。数に限りがあるため、ご予約の際にお知らせください。また会場により、ロビーとお手洗い、施設の出入り口がつながっていない場合もあります。ご事情をお伺いしたうえで最適な席をご案内させていただければ幸いです。

 

◆上演用台本の貸し出し

聴覚に障害をお持ちの方でご希望の方に、無料で上演用台本を貸し出します。当日の貸し出しも可能ですし、事前にお送りしてお読みいただき、ご準備をいただくことも可能です。ただこちらも数に限りがございますので、ご希望の際はお早めにご連絡ください。

 

◆事前説明

視覚に障害をお持ちの方でご希望の方に、舞台上のセットの状態や大まかなあらすじ、登場人数や特徴などの視覚情報を口頭でご説明いたします。ご希望の方に個別に対応させていただきます。(開演前の限られた時間の中で行うため、簡単なものにはなりますがご了承ください)

 

◆移動サポート

車いすでお越しの方で、段差や狭いところの移動にサポートが必要な場合、スタッフがお手伝いさせていただきます。会場には男女別のトイレはありますが多目的トイレがございませんので、可能な場合は会場近くの多目的トイレを保有している公共施設にご案内させていただきます(こちらはさばえ会場のみとなります。ご了承ください)。

 

◆各種コミュニケーションサポート

受付には筆談のためのホワイトボードや、翻訳アプリの入ったタブレット端末をご用意いたします。また図入りのコミュニケーションボードを設置し、開演時間やトイレの場所などお客様が指差しで簡単にお伺いできる設備を置かせていただきます。

 

◆アンケートの聞き取りサポート

当日はアンケート用紙をお配りする予定ですが、アンケートを読むこと、書くことが難しい方がいらっしゃいましたらスタッフにお声かけください。聞き取りの形でお伺いさせていただければ幸いです(アンケートへのご回答は任意です)

 

 

 これらの取り組みにはご来場いただくお客様はもちろん、お手伝いいただくスタッフのみなさん、出演者や施設管理者のみなさん、その他にも沢山の方のご協力が欠かせません。お願いすることが多く恐縮ではありますが、当日ご来場いただいた方も、お手伝いなどで関わってくださった方も、全ての方に「関わってよかった」と思っていただけるよう、できるかぎりの準備をしたいと思います。まだまだ足りないところが多い私たちですので、お気づきのことがありましたらご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。(山田)