さよなら事典

演劇をつくること

□ さよならキャンプの音

さよならきゃんぷのおと

 

さよならキャンプの音への思いやこだわり、
その音をつくってくれる仲間についてご紹介します。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台芸術としての演劇

 さよならキャンプが手掛ける演劇。その中の音について話したいと思います。

 

 まずは、演劇について考えてみたいと思います。何があれば、演劇と言えるのでしょうか。私が考える、演劇の最低限必要な要素は二つだと思っています。役者とお客様です。演じる人がいるから演劇なのですが、お客様がいないと演劇とは言えないような気がします。この二つの要素があれば、どこでやろうが、どんな形だろうが、演劇と言えるのではないかと、思っています。

 

 そしてこの基本的な形に、様々な要素を付け加えていったものが、舞台芸術としての演劇です。場所があり、舞台があり、照明があり、音響がある。その他にも、演劇を鑑賞する上で、色んな刺激がお客様に届いていきます。もちろん、どれが一番大事だということはありませんが、五感の中での聴覚。音は、大事なポイントだと思っています。

 

 

演劇の中の音

 演劇をしているときの音は、普段よりも敏感に感じてしまいます。それは、プラス面だけでなく、マイナス面も多々あります。演劇中の携帯電話の着信音や、外から聞こえる騒音など、演劇と関係のない音でさえ、集中して役者の声を聞こうとしている観客にとっては、必要以上に耳に入り込んでくるものです。逆に言えば、小さな音や、役者の息づかいなども、音として表現することができるということです。大きい会場では、ダイナミックな音で世界を表現しますが、今回の公演の舞台に選んだ場所は、割と小さな空間です。登場人物が過ごしている空気、空間を、ダイレクトに観客に届けたいという意図があります。聞いているのは耳ですが、肌で感じるような。そんな繊細なものを感じてもらえたらなと思っております。

 

 

松村さんの音楽

 前述した、肌で感じるような音を考えると、生音で演劇を彩りたいなと考えました。その場で出された音は空気を作り、観客の肌に伝わるのではないかと考えました。そこで声をかけたのが、今回の音楽を担当してもらっている松村さんです。私、沼畑は前からの知り合いでした。感覚も趣味も似ていたので、何か一緒にやれたらと話はしていたのですが、何もできないままでした。今回の旗揚げで、自分が考えている音や、音楽を表現してくれるのは、松村さんしかいないと思い、声をかけました。声をかけて正解でした。彼は、ギター教室を営んでいます。その他にも、音楽を提供したり、活動は多岐にわたっています。そんな彼と、演劇の中の音について話し合うと、アイデアが次から次へと出てくるのです。その発想力。そして、演出からのオーダーに対しての柔軟さ。遊びがありながら、しっかり作ってくれる。そして、一番すごいなと思うのが、音を楽しんでいることです。肌で音を感じ取り、楽しんで作っている。さよならキャンプが目指す「やさしく、まじめに、たのしい」演劇を、音で表現してくれると思っています。

松村忠尚さんのホームページ

 

 

 

さよならキャンプの音

 今回の旗揚げ公演に参加していただいている人の中で、音楽に関わっている人は多いです。そのおかげで、音響も色んなことを試しています。私も、昔から音楽が好きで、演劇を作っていく中でも、音楽や音響はこだわってきた方です。どんな音や音楽が、演劇にどう影響を与えるか。理屈では説明できないようなことが、音にはあると思います。試行錯誤して生まれた音に、身をゆだねて、そして楽しむ。観客だけでなく、私たちも心から楽しむことが大事だと思います。皆様にも是非、その会場でしか味わえない音を楽しんでもらえたらと思っています。 (沼畑)